川岸はサンクチュアリ お話 姉崎一馬氏(自然写真家) 最上川五百川峡谷の川岸は変化の大きい自然といえる。崖が崩れたりする不安定場所は、パイオニア的な植物が多い。ケヤキ類をはじめとして水に強い樹木が多く、大木も結構ある。切り立った川岸では、太くなりすぎると支えられなくなってしまうので巨木とまではいかないが、それでも太い木はいっぱいある。
なにより、人が入れないので、生き物たちの逃げ場となっていて、サンクチュアリとしてとても貴重な場所といえる。
以前、仲間と静かに五百川峡谷を下ったときには、青サギやゴイサギ、ヤマセミなどがたくさんいた。特にゴイサギは、四畳半くらいの柳の茂みから百羽以上出てきて驚かされた。ヤマセミは、数十メートルに1羽は出てきた。この鳥は、奥山に行かないとなかなか見られないから一般的に憧れの鳥となっている。町の中でこんなに見られるのはとても珍しいこと。鳥を観察する人たちにとってはとてもおもしろい場所ではないか。
お話 : 姉崎一馬さん (立木) 取材 : 平成19年
姉崎 一馬(あねざき かずま)氏
昭和23年(1948)京都生まれ。朝日町立木在住。
雑木林から原生林まで日本全国の森林をフィールドとする自然写真家。山形県朝日連峰山麓を活動の中心とした子供のための「わらだやしき自然教室」もボランティアとともに行っている。著書に「はるにれ」(福音館書店)、「はっぱじゃないよ、ぼくがいる」(アリス館)など多数。
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2009.04.16:朝日町エコミュージアム協会