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春の山遊び
 今もやっている遊びに「春の山遊び」がある。山菜がうまく、りんごの仕事が忙しくなる前の春盛りに、冬から開放された喜びを身体の内外から味わうものになっている。
 村のみんなに山遊びのことを連絡し、当日の役割分担を決め、村で一番高い高森山か、村を一望できる田の頭の古峯神社に歩いて登り、途中の旧道の由来や清水、種まきこぶしなどをお年寄りから聞きながら,春の陽を浴びながら進む。その中で興味のあったものに「館山にあったお城のお姫様弥生姫が紅葉狩りにきた伝説のある「緋の沢」の話がある。そんな話を聞きながら頂上に着くと別動隊が朝から準備していた昼の宴が始まる。
 昼の宴は、山菜をふんだんに入れた「いれか汁」と鰊汁。途中採ってきた山菜をその場で天ぷらにして振る舞う。子供は自家製のりんごジュース、大人はビールに日本酒を注ぎこみ、つらかった冬の話や四方山話が満開になる。帰りはいっぱい気分でぽかぽか陽気の中をゆっくりと下って来る。そして段取りを含め三日の春遊びが終了する。…と思ったら公民館に入り、山遊びの反省会となる。山から里遊びになり夜も深まっていく。これが送橋の春の山遊び。

お話 : 清野孝一郎さん(送橋)
取材 : 平成17年(2005)
2009.04.19:朝日町エコミュージアム協会

10.沢内エリア:住民学芸員のお話

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